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ソフトバンク、米巨額投資先が上場頓挫 孫正義氏の目利きに疑念も

 巨額のベンチャー投資で快進撃を続けてきたソフトバンクグループに暗雲が漂い始めた。きっかけは、共同利用型のオフィスを世界で展開する米企業の上場頓挫だ。孫正義会長兼社長の目利きに疑念が生じており、カリスマ経営者の看板にも傷が付きかねない。

 米ウィーカンパニー共同創業者のニューマン氏は9月24日、最高経営責任者(CEO)の座を追われた。2010年創業で、共用オフィスを起業家らに貸す「ウィーワーク」事業で急成長、日本にも進出した。だが、上場計画中に企業統治や収益性をめぐる問題が噴出。ニューマン氏辞任後、計画を正式撤回した。

 ソフトバンクは傘下のファンドを含めてウィー社に累計100億ドル(約1兆700億円)以上を投資するが、英紙フィナンシャル・タイムズは「孫氏が17年にごく短時間、ニューマン氏と会談して投資を決めた」と、査定のずさんさを伝えた。

 ソフトバンクは今年1月、ウィー社の評価額を470億ドルと発表。だが、ニューヨーク大のダモダラン教授は「バブルだ」と指摘、最近は100億~200億ドルとの見方がもっぱらだ。調査会社サンフォード・C・バーンスタインの推計で、評価額が240億ドルを下回るとソフトバンク側は含み損を抱える。150億ドルなら含み損は28億ドルに上る。

 「これからは(傘下の)ファンド一本。人工知能(AI)にエンジンを吹かす」。孫氏は8月の決算記者会見で意気盛んだった。19年4~6月期の連結最終利益はトヨタ自動車を超え、国内最大となった。傘下ファンドの投資先は未上場会社がほとんどだ。

 だが投資先の評価額はソフトバンク側が収益予想を基に自ら算定。監査を通すとはいえ「お手盛りで膨らみやすい」(銀行幹部)とされる。77億ドルを投資し筆頭株主になった米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズは、5月の上場後に株価が低迷、含み益がほぼ消失したもようだ。

 米調査会社トライトン・リサーチのウォレスCEOは「孫氏はうまくいけば莫大(ばくだい)な利益を生み出す革新的で急成長している企業を好むが、それを分析するのは非常に困難だ」と話す。ソフトバンクは2つ目のファンドを計画するが、ロイター通信によると、資金集めが難航しているという。(ニューヨーク、東京 共同)

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