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“脱炭素社会の切り札”脚光 「ノーベル賞」リチウムイオン電池

 ノーベル化学賞の受賞が決まった旭化成名誉フェローで名城大教授の吉野彰氏は10日午後、東京都内で妻、久美子さんと一緒に記者会見し「反響のすごさに驚いている」と話した。久美子さんは「とてつもなくうれしい」と笑顔で喜んだ。

 吉野氏はリチウムイオン電池の開発について、「時代のめぐり合わせ。私と(共同受賞者の)グッドイナフ氏の材料がたまたま同じ時期に生まれた」と総括した。

 リチウムイオン電池の技術は今、地球温暖化対策の切り札として、再び脚光を浴びている。

 これから最も伸びる用途とみられるのが電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、家庭用の蓄電池だ。電源を石炭や石油などの化石燃料から太陽光や風力などの再生可能エネルギーに転換する一方、発電量の不安定さを補うため、電気を電池にためて使う。こうした温室効果ガス排出の削減戦略に電池が有用だとされる。

 2020年から本格始動する温暖化対策の枠組み「パリ協定」で、世界は今世紀後半に温室ガスの人為的な排出と森林による吸収を差し引きゼロにする「脱炭素社会」を目指す。日本も「50年に排出80%減」が目標だ。

 特に発展途上国では今後も自動車や電力需要が増える見通しで、こうした国々への普及はさらに進みそうだ。また世界銀行によると、アフリカには、人口の半分以上が電気を使えない国がある。電気へのアクセス向上にも再生可能エネルギーと蓄電池の導入が貢献するとみられる。

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