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台風15号大停電 電力マンの過酷ミッション (2/2ページ)

 木更津市の現場では、ナシ農家からの要望が切実だった。収穫期を迎え、選別や集荷に機器が欠かせないのに、電柱が倒れて停電し機器は使えず、作業が行えないのだという。

 現場の電柱を調べ、撤去しても当面の復旧には影響しないと判断、応急的に電線をつなぎ直す臨機応変な対応も取った。

 「ありがとう」励みに

 イオンモールに設けた拠点にはテントがいくつか張られたが人数分のスペースは確保できない。テントで寝られるのは良い方だったといい、吉村さんと西田さんは車中か屋外のブルーシート上で寝袋を使い、睡眠を取った。

 こうした過酷な状況の中、励みとなったのは地元住民からの「ありがとう」との感謝の言葉だった。

 発電機車を取り付けた福祉施設では、調理場が使えるようになって施設側から食事が振る舞われた。非常用のレトルト食品を用意してはいたが、吉村副課長は「温かい食事は疲れた体にありがたかった」と振り返った。

 2人は15日まで作業。北陸電力は、送電設備が復旧した24日まで、社員、協力会社含め延べ528人を派遣した。今回の出動を通じ、吉村さんは「一刻も早く復旧させるという熱い気持ち、安全を肝に銘じることを後進に伝えていきたい」、西田さんは「困っている人たちに早く電気を送れる配電マンを育てていきたい」と話している。

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