台風19号

50年に1度にどう備えるのか ダム奏功も「想定精査し直すべきだ」 (2/2ページ)

 民主党政権時代に建設凍結問題で揺れた八ツ場ダム(群馬県)。ダムの本格的な運用を前に今月から水をためてダムの安全性を確認する「試験湛水」を開始していたところだったが、本格運用を前に、台風19号で満水時に迫る雨をため込んだ。流域では洪水被害は確認されず、関係者は「雨水は全部ためた。効果があったということではないか」とみている。

 ただ、ダムや堤防の建設といったハード面には多額の費用もかかる。国は昨年の西日本豪雨を教訓に河川堤防の強化と避難促進のハードとソフトの両輪の対策を進めるが、特にハード面では費用対効果も加味される。

 こうした中、今回は50年に1度と言われる大きな災害で、広範囲に洪水による被害をもたらした。安田准教授は「設備の能力が気候変動の現実にそぐわなくなっている。計画中の工事を一刻も早く完了させ、降雨や浸水の想定を改めて精査して対応すべきだ」と強調している。

 ■「最終的に命を守るのは自分自身」

 東京大大学院の片田敏孝特任教授(災害社会工学)の話「一度に広範囲で猛烈な雨が降り続けたという点では、昨年の西日本豪雨と同じ。雨の降り方がこれまでと変わってきており、従来の想定でのまちづくりや都市構造では、激甚化する災害に対応できなくなってきている。今回、長野方面で河川の氾濫による大きな被害が出たが、台風では上陸前でも雨雲が広く分布し、大雨が降ることは珍しくない。鉄道の計画運休といった災害への事前対応を受容する社会の流れはできてきているが、災害の被害自体は、実際に起きてみないと読みきれない面もあり、政府や行政の対応にも限界がある。漠然とした不安を抱えていても、命は守れない。起きうる被害を具体的にイメージし、行動に移すことが大切。『最終的に身を守るのは自分自身』という国民一人一人の意識改革が必要だ」

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