台風19号

河川決壊招いた要因は何か 浮かぶ「地形性降雨」

 台風19号では各地の河川で決壊が発生し、長野県の千曲川でも大規模な洪水が発生したが、猛烈な降雨を起こした要因の一つに、台風の進路や風向きによって発生した「地形性降雨」があったとの分析が浮上している。

 「千曲川の源流がある山間部に大量の雨が降った。過去にも水害が起きたが、200年に一度ぐらいの規模だ」。中央大の山田正教授はこう指摘した上で、降雨の原因として、台風のたどった進路をあげる。

 台風は伊豆半島付近から上陸し、関東や東北を北東へ横切るように縦断。これにより、内陸の山間部に向けて、湿った風が強烈に吹き付けた。

 風は、長野や群馬、埼玉の県境周辺で山とぶつかり、上昇気流となって雨雲となり大量の雨を降らせたとみられる。この付近には千曲川の源流があり、水量は爆発的に増えた可能性がある。

 国土交通省によると、長野市穂保の千曲川で異変が確認されたのは13日午前3時ごろ。監視カメラで堤防の欠損が確認されその後、約70メートルにわたり決壊し、住宅地などが大規模に浸水した。

 海に面していない長野県は年間の降水量は全国的に見て少なく、内陸の盆地は特に雨が少ないことで知られる。静岡大防災総合センターの牛山素行教授は「普段は雨が少ない地域で豪雨が降ると、絶対量は少なくても、災害発生のリスクは高まる」と指摘する。

 13日午前9時までの長野県の48時間雨量は北相木で411・5ミリ、佐久で311・5ミリ、鹿教湯で327・5ミリを記録し、いずれも観測史上1位を更新した。

 一方、神奈川県箱根町で1001ミリ、静岡県伊豆市では760ミリの48時間雨量を記録するなど、より激しい雨にさらされたが、大きな洪水などはなかった。

 牛山氏は「河川の幅や、地形などの自然は、降雨を含めた長期間の気候条件にも影響される。簡単に言えば、雨の多い地域では、自然も天候に適応している」と指摘。もともと雨が少ない長野では、相対的な降雨量は少なくても、河川氾濫などの危険性はより高まると分析した。

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