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10年で売り上げ5倍に ニッチな下着販売、活況の舞台裏 (2/2ページ)

 その失敗をリカバーし、反転攻勢できたのがネット通販だった。チラシの自作のためパソコン操作を覚えたのをきっかけに、12年から開始。「下着ならメーカーのカタログもあり、自分で商品写真を撮って加工する必要がなかった」と取扱商品に下着を選んだ。下着は服の中に着るため通常の衣類より返品率が低いことも、確実な収益につながった。

 投資を惜しまず成長

 ネットへ注力するなか、成長のための投資を惜しまなかった。

 本社に所狭しと並ぶ箱には番号とバーコードが付けられている。POS(販売時点管理)と同様の管理システムだ。もともとバーコードのない商品には自分たちで添付する手間が生じるが、システムの導入で商品探しを円滑化し、繁忙期に人員を増やす必要がなく省力化につながった。

 一方、23年にはサイト上の支店を一括管理できるシステムを導入し、28年からは新商品の登録作業にはネットを通じた外注サービスを活用。こうした積極的なITサービスの導入が評価され、今年、経済産業省の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」にも選定されている。

 今年10月には新たな倉庫の増設とともに、管理システムを最新に更新した。バーコードを読み取る端末に注文一覧を表示させ、注文リストの特殊な印刷紙を使わずにコストを抑える。

 笹原社長は「年商100億円が目標。今のビジネスだけでは難しいが、これからのイノベーション(技術革新)を準備している」と夢を大きく掲げる。

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