台風19号

タワマンも浸水、火災保険の「水災補償」クローズアップ (1/2ページ)

 台風19号で全国各地の河川堤防の決壊が相次ぐ中、水災とは無縁とされたマンションの浸水被害が続出し、火災保険の「水災補償」が改めて注目され始めた。浸水被害を中心に19号の保険金支払額は昨年9月の台風21号(1兆円超)並みの過去最大級に膨らむ可能性もあり、損害保険各社はドローンやスマートフォンを活用し、迅速に保険金を支払えるよう対応を強化している。

 台風や豪雨などで浸水被害を受けた場合に保険金を請求するには、火災保険に水災補償を付けなければならないが、付帯率は減少傾向が続いている。損害保険料率算出機構によると、全国の火災保険の水災補償付帯率は平成29年度に70・5%(前年度比1・4ポイント減)となり、4年以上連続で低下。水災補償の必要性を感じにくいマンションの住人が増えたことが付帯率減少につながっていると分析される。

 しかし、台風19号では川崎市の多摩川周辺のマンションで2階部分まで浸水する被害があり、タワーマンションでは地下の電気設備への浸水で停電と断水が発生し、多くの住民が仮住まいを強いられた。このため、「今後はマンション住人の水災補償加入が増える可能性が高まっている」(大手損保)という。

 近年は集中豪雨で階層に関係なくマンションの排水などが突然あふれる現象も頻発しており、「昨年度の個人向け火災保険の水災補償付帯率は前年度比で2%近く増加している」(三井住友海上火災保険)。

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