経済インサイド

スバルのエンジン名機「EJ20型」生産終了 スバリストは“トヨタ化”懸念 (2/2ページ)

 平成4年発売の小型車「インプレッサ」はレガシィに比べ、全長が20センチ縮小、重量も約80キロ軽量化された。さらに9年発売のスポーツ用多目的車(SUV)「フォレスター」、20年発売のミニバン「エクシーガ」にも、EJ20型は搭載された。いずれも今もスバルの主要車種だ。

 その性能の高さから、レースでも数々の実績を残していく。

 世界ラリー選手権(WRC)では9年、市販車ベースのEJ20型を搭載したインプレッサWRXで、メーカー部門で日本勢初の3連覇を達成した。また、世界有数の過酷さから「スポーツカー開発の聖地」として知られるドイツのサーキット、ニュルブルクリンクを走る24時間耐久レースでは「SP3Tクラス」で3回の優勝を飾った。今年のニュルブルクリンクのレース車「WRX STI」にも使用されている。

 だが、市販車では車の大型化に合わせるように、新型エンジンが採用されるようになる。EJ型のなかでも2代目レガシィで初搭載されたEJ25型が優勢となり、主力市場の北米ではEJ25型が主流になる。

 加えて、世界で年々強化される排気ガス規制が影響を及ぼす。スバルは、燃焼効率の追求と環境性能の引き上げを目的にして、基本構造の見直しを実施。22年、第3世代となるFB型を投入した。「走りのスバル」のイメージを決定づけたEJ20型は、惜しまれつつ表舞台から姿を消す。

 スバルは9月、資本提携によってトヨタ自動車の関連会社となることを発表した。スバル車を愛する「スバリスト」らからは独自性が損なわれてしまうのでは、との不安の声もある。

 これに対し、中村知美社長は「スバルらしさをもっと強くする。絶対にトヨタ化はしない。裏切らない」と強調。EJ20型をはじめとする“レガシー”は大事に守っていく姿勢を示している。

 スバルは、唯一のEJ20型の搭載車種であるWRX STIに、特別仕様車「EJ20 Final Edition」を設定。24日開幕の東京モーターショーで試作車を公開し、555台限定で生産する計画だ。ちなみに「555」はWRCで活躍時、車体にはられていたスポンサーロゴで、「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」のたばこ銘柄。このナンバーは今もスバリストに人気があるという。(今村義丈)

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