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AIベンチャー、多国籍化 人材不足、優秀な技術者積極採用

 国内で人工知能(AI)など先端IT人材の不足が深刻化している。このままではAIでも日本の「敗戦」が濃厚だ。こうした中、開発を先導するベンチャー企業では、海外の優秀な技術者を積極採用する動きが増えてきた。高度外国人材が日の丸ITを支える。

 そんな会社の一つが東京・渋谷のAI企業リープマインド。今夏、社員が製品・サービスの開発を競う社内イベント「ハッカソン」が開かれた。1週間、通常業務を離れて何をしてもよい。途中、浴衣デーや、たこ焼きパーティーなどの息抜きもあり、多くの外国籍社員が浴衣や甚平を着て写真を撮り合った。

 約80人いる社員のうち外国籍は13カ国16人。研究開発部門では3分の1を占める。同社はAI関連の先端技術「ディープラーニング(深層学習)」に強みを持つ。家電や自動車、ドローンなどに載せる小型装置で深層学習を実行する技術開発に取り組んでいる。

 「深層学習は本当に、わくわくする技術だ」と英国人のジョエル・ニコルズさん。英国で博士号を取得した後、2017年に入社した。大量に発表される研究論文を読み込んで仮説を検証し、その上で新しい論文を書くのが仕事だ。国際学会で発表し会社の知名度を上げている。

 「多様な人たちと話せるのでアイデアも湧きやすい。それを実行に移すカルチャーもある。自由な働き方ができるのもいい」。ジョエルさんは満足そうに話した。

 「国籍や日本語能力は重視していない。世界から優秀な人に来ていただいて一緒に未来をつくりたい」と沢田武男・技術組織担当執行役員(31)。米グーグルなどで働いた沢田氏の仕事は、技術者が働きやすい職場をつくることだという。

 書類は日本語と英語の両方を作る。テレワークなど柔軟な働き方を認める。卓球台やハンモックがあり、家族の社内見学もできる。ハッカソンのようなイベントも楽しく働けるようにする工夫の一つだ。

 終身雇用の考え方にはとらわれない。「各個人のキャリア上の希望の方が大事。それが弊社の求める能力とマッチしてお互いがウィンウィンになる期間、一緒に働こうということだ」

 研究や事業に引かれ、さまざまな夢を持つ人が集まる。バングラデシュ人のサイード・ハシブル・ラーマンさんは長期目標としてAIを搭載した安価な機器を開発することを挙げた。「発展途上国でも使えるようにして祖国の発展に貢献したい」と目を輝かせた。

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