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新幹線が水没…台風にどう備える 関西の鉄道車庫の対策は (2/2ページ)

 水害に備え、JR東海は鳥飼車両基地に土嚢(どのう)や排水ポンプを設置。状況に応じて、高架などに車両を避難することも検討する方針だが、全ての車両を守りきれるかは未知数だ。

 大災害時に危機にさらされるのは在来線の車庫も例外ではなく、過去には実際に浸水した車庫もある。

 大阪湾にほど近い阪神電鉄尼崎車庫(兵庫県尼崎市)。昭和25年に上陸したジェーン台風では、高潮によって近くの河川が逆流して浸水し、全体の6割以上にあたる134車両が水没した。

 こうした反省から、同社では車庫を2メートルかさあげしたほか、入り口には止水板を取り付けた。それでも、担当者は「どうしようもないときもある」と話す。周囲には複数の河川があり、想定外のことが起きないとは言い切れない。

 京都府の宇治川近くにある京阪電鉄淀車庫や奈良県の吉野川近くの近鉄電車六田車庫、兵庫県の武庫川近くにある阪急電鉄西宮車庫など、河川近くに位置する車庫は他にもある。各社ともJR東海や阪神電鉄と同様の対策を講じる一方、同じようなリスクを抱えているという。

 今後、大規模な津波浸水をもたらす南海トラフ大地震が起こることも想定される。梅原さんは「多くの車庫は今回のような大規模の水害は想定しておらず、周囲に堤防を造るなど、抜本的な対策が必要だ」と話している。

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