講師のホンネ

英語を話せる魔法のひと言 「yet」(今は、まだ)

 英語が話せるようになるための「ひと言」について述べてみたい。英語が話せるようになりたい方には、これならできると思って頂けることと思う。(鈴木マグラクレン美保)

 カナダ人の夫と暮らしていると、多くの方が、片言で話す夫の日本語を聞くと「日本語がお上手ですね」と褒めてくださる。同時に「私は英語が話せないんです」とおっしゃることが多い。相手の話す日本語には寛容であり、自分の話す英語には、評価が厳しい。

 「話せる」というとき、その基準は人によってさまざまである。まだ来日したばかりのオーストラリア人が「I can speak Japanese.」と言ったので、「Let’s speak Japanese!」と伝えると、うれしそうに「からあげ!」とひと言。彼の知っている日本語は「こんにちは」「ありがとう」と「からあげ」だけだった。

 それでも、自信をもって「話せる」というところに、ただただ感心した。だから「英語が話せるようになりたい」という方には、スタート地点を「I can speak English.」から始めてみようと呼び掛けている。

 ただ、今までずっと「自分は英語が話せない」と思ってきた人に「『英語が話せる』と言いましょう」というのは、唐突過ぎて、抵抗があるようだ。そこで、提案したいのが、「I can’t speak English.」(英語が話せません)の後に「yet」(今は、まだ)をつけてみるということである。これは、夫が中学2年生の娘にいつも言っていることでもある。

 わが家では、娘と話すとき、夫は英語で、私は日本語で話している。そのかいもあってか、娘は英語も流暢(りゅうちょう)に話すことができる。ただ、英語での読み書きは苦手で、洋書は読みたがらない。「I can’t read English.」(英語が読めない)という娘に、夫がいつも「yet!」(今はまだね)と付け加える。すると、娘は渋々ではあるが、本に向かうのである。その娘は、今では英検2級に合格する程度の英語が読めるようになってきた。

 「英語が話せない」を「今は、まだ話せない」と言い換えてみる。そのひと言が、「この先はできるようになる」という可能性、「どうやったらできるようになるだろう」という問い、「今は学びの段階だから間違っても大丈夫だ」という勇気を与えてくれる。英語に限らず、何か「できない」と思うことがあったら、「今は、まだ」と言い足してみることをお薦めしたい。

【プロフィル】鈴木マグラクレン美保

 すずきまぐらくれん・みほ 企業・大学・自治体で、コミュニケーション、ヨガ&マインドフルネス、英語に関する研修の講師を務める。英検1級、TOEIC960点、全国・講師オーディション奨励賞受賞(2014年)。「つながる英語」と題してSNSやブログに、カナダ人の夫との日常生活の中から役立つ英語のフレーズを投稿中。静岡県浜松市出身。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus