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林業最前線(上) オーストリアで成長の道探る   (1/2ページ)

 ■4年に1度の展示会

 オレンジ色のヘルメットをかぶった2万人以上の人々が林道を埋め尽くし、数百台の林業機械が山林に持ち込まれ、稼働していた。

 オーストリアの首都、ウィーンから南に約80キロの静かな森。14世紀初頭、オスマントルコ軍に対抗するために築かれたフォルヒテンシュタイン城周辺の山林で、10月8日から10日まで林業機械の展示会「オーストロフォーマ」が開かれた。4年に1度の“祭典”で、欧州を中心に151の企業・団体が出展した。林業先進国・オーストリアの国策的イベントだ。

 日本国内で「高性能林業機械」と呼ばれているものが林道沿いに並ぶ。立木を伐倒して枝を払い、規定寸法に切断して丸太にする「ハーベスター」、移動可能な人工支柱からロープを張り、丸太をつるした状態で集材する「タワーヤーダー」などだ。

 ■日本視察団が大挙来場

 オーストリアは急斜面の山が多く、地形の類似性から日本林業界が手本としている。特筆すべきは同国では植林、伐採、運搬、加工までの過程がスムーズで、収益性のあるビジネスとして成立している点だ。建材、合板、紙などに使用した後も、最終的に木を燃料として無駄なく活用する「カスケード利用」も実践している。

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