台風19号

タワマン、立地や構造に懸念 被災し露呈、買い控えも (1/2ページ)

 好調だったタワーマンション市場に、買い控えが起きる懸念が高まっている。災害に強いとみられてきたが、台風19号で人気居住エリアの武蔵小杉(川崎市中原区)のタワマンが水害に見舞われたためだ。専門家からは、川沿いや湾岸に建設されやすいという立地条件と、地下から浸水しやすいという構造の両面で、タワマンの水害への弱さを指摘する声もあがる。

 台風19号で被害が出たのはJR武蔵小杉駅近くの47階建てマンション。付近を流れる多摩川から逆流した水が地下に流れ込んで配電盤が使えなくなったことで、住民は停電や断水でエレベーターやトイレが使えないなどの被害を受けた。

 不動産関係者は、タワマンなどの購入を検討している買い手が「一時的に懸念やリスクを感じるだろう」と話す。「特に武蔵小杉や、今回大きな被害はなかったような湾岸エリアでも、敬遠される可能性は高まる」と指摘する。

 一方、JRや東急など複数路線が乗り入れている武蔵小杉駅周辺を始め、タワマンは交通の利便性が高いエリアに建設されるケースも多く、関係者は「立地の優位性は台風や水害が起こっても変わるものではない」と強調。相続税の軽減対策としての購入需要もあり、「需要は底堅いのでは」と、買い控えは限定的だとの予測も聞かれる。

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