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NTT東、文化芸術をデジタル化 葛飾北斎の浮世絵を再現

 NTT東日本は25日、文化や芸術の保護に関する先端ITを発表した。モノのインターネット(IoT)技術などを活用して、有形無形を問わず、文化財をデジタル化。技術の伝承などに役立てるほか、全国的には知られていない地域の文化の発信力を強化し、地方創生を後押しする。

 絵画では、特殊なカメラやスキャナーを使って高精細な画像処理が可能で、作者の筆致や紙の質感をデータ化できる。山梨県立博物館に所蔵されている江戸時代の浮世絵画家、葛飾北斎の「富嶽三十六景」では、雲母の粉を用いてキラキラと光る「雲母(きら)摺り」や 版木を絵の具をつけずに押しつけて凹凸模様をつける「空摺り」などの浮世絵独自の技法も平面の紙に再現できる。

 実物に遜色のない高精細な画像をどこでも表示できるようになるなど、遠く離れた場所でも作品を楽しめるようになる。

 データの保存には全国にあるNTT東の通信局舎を活用する。インターネットから独立したNTTのサーバーで、サイバーセキュリティーを高め、文化財の権利保護にもつなげる。

 農業や養殖業、酒造技術や陶芸の小生技術など、地域に密着した技術のデジタル化を進め、事業で得た収益を別の文化財の保護につなげるような独自のビジネスモデルの構築を目指す。

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