百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群の世界文化遺産登録で地道なPR活動が評価され、「課長」から「部長」に昇進した堺市のPRキャラクター「ハニワ部長」。辞令交付の際、大風呂敷とも思えるノルマを自らに課してしまい、永藤英機市長から「達成できれば局長に昇進、できなければ降格」と返されるなど大ピンチに…と思いきや、本人は自信ありげだ。それどころか「ノルマ以外にもやりたいことがある」と、くぼんだ大きな目を光らせる。ハニワ部長の「野望」とは-。
自分で自分の首絞めた?
「私のグッズを民間企業に20種類販売してもらう」「フェイスブックで2万『いいね!』を1年間で獲得する」-。8月28日の辞令交付の際、ハニワ部長は永藤市長の前で高らかにこう宣言した。
すると永藤市長からも課題が。埴輪(はにわ)や勾玉(まがたま)、剣といった副葬品をはじめとする古墳文化自体の価値を広く知ってもらう-という任務で、「部長」のほかに「CHO(チーフ・ハニワ・オフィサー)」の肩書も頂戴した。
7月の世界遺産登録後、テレビや新聞などメディアの取材・出演が増え、イベントにも引っ張りだこになるなど、ただでさえ多忙を極めているところに3つのノルマ。自分で自分の首を絞める結果となり、「階級が1つ上がって一挙に仕事が増えた」とぼやく。
ただ、言葉とは裏腹に、ノルマ達成には自信をのぞかせる。
まずはグッズ販売。市から出る予算はゼロで、民間企業に自ら“営業”をかけなければならないが、「うまくいけば年内に達成できるかも」と豪語する。
実は、ハニワ部長は以前から高島屋堺店でも、古墳群の世界遺産推進関係の「PR担当課長」を“兼務”しており、10月2日には「古墳群PR担当部長」に昇進している。その高島屋堺店から「何か商品を考えてあげる」と言われているというのだ。
「食品売り場などに置く食品が中心になりそう。高島屋さんにご協力いただけるのは心強い限り」
キャラクターグッズも模索中だ。現在、玩具カプセルの中に入れる「ハニワ部長フィギュア」を作製・販売してもらうべく業者にアプローチをかけており、好感触を得ているという。
「継続して売れ、海外の人にもお土産として持ち帰ってもらえるようなグッズを作りたいですね」
弱点を克服
2万「いいね!」獲得はどうか。5千だった昨年度の4倍。こちらもハードルが高そうだが、あまり心配はしていないようだ。