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「八幡製鉄所」の名消える 日鉄が国内6製鉄所に再編

 日本製鉄は1日、国内の製鉄所を統合・再編すると発表した。完全子会社の日鉄日新製鋼を含め、国内に16拠点ある製鉄所や製造所を、令和2年4月に社長直轄の6製鉄所へ再編する。鉄鋼業界は原料価格の高騰や鋼材価格の下落で厳しい環境が続いており、再編によって業務運営の効率化や人材競争力の強化を図る。今後は人員や生産設備の削減についても検討していく方針だ。

 再編により、鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)や君津製鉄所(千葉県君津市)は「東日製鉄所」、八幡製鉄所(北九州市)や大分製鉄所(大分市)は「九州製鉄所」となる。近代製鉄発祥の地である八幡製鉄所の呼称は「八幡地区」に変更される。一方で当面は現行の生産体制を維持するが、3年下期中に広畑製鉄所(兵庫県姫路市)のブリキ製造ラインを休止する。

 この日記者会見した宮本勝弘副社長は「製造現場の自立性、効率性を高め『作る力』の再構築を図る」と再編の狙いを説明。人員削減については「当然効率化をやるわけなので調整検討していく」と述べた。

 同社はこの日、2年3月期の本業のもうけを示す事業利益の予想を従来の1500億円から1千億円(前期比70・3%減)に下方修正した。環境悪化に加え、9月の台風15号で君津製鉄所が被害を受けるなど災害影響を受けたため。初めて予想を開示した売上高は6兆1千億円(1・3%減)、最終利益は400億円(84・1%減)になるとした。同時に発表した元年4~9月期の最終利益は、前年同期比66・8%減の387億円だった。

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