法の壁、薬は買えず
期待のかかる実験だが課題も見えつつある。
注文は配達日当日の午前9時まで受け付けている。だが、津瀬地区の2人からのみ注文があった際、到着時刻がその分早まったのだが、2人は知らずにいた。
和気町で実験を担当する、まち経営課の海野均課長補佐(47)は「スマートフォンでドローンの位置を確認するサービスも考えられるが、お年寄りは持っていない人が多い」と述べ、周知方法を模索する。
また、「薬が欲しいという声があるが、法律が次の壁になっている」とも。松石さんは月に一度、近所の人に車に乗せてもらって病院に行き、必要な薬を受け取っているという。医薬品医療機器法(旧薬事法)上、医師の処方箋が必要な種類の薬でドローンでの配送には法改正が必要となるためだ。
このほか実験では、水稲の生育状況の診断、有害獣の調査や山林の測量といったものも実施。ドローンは新しいインフラとしての期待も高まっており、各方面で実用化への試行錯誤が続いている。