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家庭の太陽光余剰電力、争奪戦 新電力、大手切り崩しへ高値買い取り

 家庭用太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)の契約が1日以降、順次終了している。大手電力が余剰電力を高い価格で買うのは10年間と決まっており、その後は大幅に下がる。電力小売りに新規参入した新電力は顧客の切り崩しを狙って、大手より高い買い取り価格を提示。自家消費に役立つ蓄電池の需要が増えるとみて、メーカーも家庭に熱い視線を送る。

 家庭用太陽光の余剰電力買い取り制度は2009年11月に始まった。10年の期間を迎えると、家庭は余った電力をこれまでより安い価格で大手や新電力に売るか、自家消費に回すことになる。期限となる家庭は19年に全国で約53万件、23年まで累計約165万件に上る。

 制度開始時に契約を結んだ家庭の買い取り価格は1キロワット時当たり48円。大手電力の期限後の標準的な買い取り価格は7~9円で、家庭の売電収入は大幅に下がる。新電力はこれよりも、おおむね数円高く価格を設定している。例えば新電力の東京ガスは関東で、東京電力エナジーパートナーより1円高い9.5円だ。

 新電力は太陽光の買い取りを糸口に、電力や都市ガスの契約を獲得しようともくろむ。経済産業省の幹部は「価格は思ったより高い。健全な競争が進むかどうか注視したい」と語る。

 大手や新電力は30年度に販売量の44%以上を、化石燃料を使わない原発と再生可能エネルギーで賄う必要がある。「再生エネの電気を手に入れるチャンス」(新電力関係者)であることも、奪い合いに拍車を掛ける。

 昼間に発電した電気を売らずにためて、夜間に使う自家消費も増えそうだ。中国の寧徳時代新能源科技(CATL)は、住宅向け蓄電池を日本で年内にも販売する。京セラは来年1月、長寿命で小さい自社開発の蓄電池を売り出す。

 米電気自動車メーカーのテスラも、4人家族が消費する約1日分の電力を蓄えられる家庭用蓄電池を来春に売り出す方針だ。

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