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JFE、AIで全高炉を管理 安定操業で競争力強化

 JFEスチールは5日、国内製鉄所で操業する高炉8基全てに、人工知能(AI)を使って12時間先までの炉内温度などを分析し、管理に役立てる仕組みを導入したと発表した。温度低下などによる操業トラブルを未然に防ぎ、安定操業につなげる狙い。鉄鋼をめぐる事業環境が厳しくなる中、競争力強化を目指す。

 この仕組みでは、温度や圧力など、高炉1基当たり1万件以上のデータを収集。デジタル空間に仮想の高炉を再現して内部の状態を把握できるようにする。

 8~12時間後の状態も予測できるといい、トラブル防止措置が取りやすくなる。炉内温度を上げるために投入する燃料を最適化し、コストを引き下げるという。

 今後は高炉8基の情報をつないで集中監視できる体制を構築するほか、2025年度までに全ての生産工程に同様の技術を採用する方針だ。JFEは高炉8基への導入費用として十数億円を投じたが、担当者は「生産性は格段に向上する。コスト削減への貢献度は大きい」と意義を強調した。

 鉄鉱石価格などが高止まりする一方、鋼材の国際市況が低迷している。

 日本製鉄が国内製鉄所の組織改編を打ち出すなどしており、JFEも事業強化の取り組みを加速させる構えだ。

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