金融

日銀総裁、国内景気「大きな下振れない」 緩和策は政府と協調で効果大 

 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は5日、名古屋市内で講演と記者会見を行い、「金融政策を変更するという状況ではない」と述べ、年末に向けて従来の金融緩和政策を継続する方針を示した。そのうえで「政府が財政政策をさらに積極化する場合、財政と金融の「ポリシーミックス」(政策組み合わせ)の効果をより発揮できる」とし、政府が財政措置を伴う景気対策を実施すれば、金融緩和政策がより高い効果が得られるとの見方を示した。

 ただ、黒田氏は「財政を拡張したときに政策協調をやるという考えが特にあるわけではない。あくまでも金融政策として必要があるときに必要に応じたことを行う」と強調。日銀の低金利政策によって、政府が国債を発行しても金利負担が軽いため、日銀が政府の資金繰りを支える「財政ファイナンス」との指摘もあるが、黒田氏は「そういう考えは持っていない」と否定した。

 一方、国内の景気については「大きく下振れすることはない」と明言。足元で株価が高値となっていることは「好ましいが、それだけで金融政策を変更するということはない」と指摘、物価上昇率2%の目標達成まで大規模緩和を「粘り強く続ける」と語った。

 米中貿易摩擦の長期化など海外経済の下振れリスクを指摘しつつも、海外経済の回復については「半年程度遅れており、持ち直すのは来年の前半とか半ば頃ではないか」との見方を示した。

 追加緩和の必要性については、具体的に言及することはなかった。

 日銀は先月31日の金融政策決定会合で、金融政策を据え置きつつ政策方針を修正して利下げに前向きな姿勢を示している。一部では為替相場が円高ドル安に振れないよう牽制(けんせい)する「口先緩和」と指摘されるが、黒田氏は5日の講演で「政策金利について、下方バイアス(偏り)があることを明確にした」と説明した。

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