金融

存続危ない地銀存続へ他の地銀が支援 金融庁が出資特例を拡大する方針

 金融庁は5日までに、将来の存続が危ぶまれる地方銀行を、他の地銀が資金面で支援しやすくする方針を固めた。本年度中に監督指針を改正し、地銀が他行に出資しても、特例措置によって、財務の健全性を示す自己資本比率が低下しないようにする。日銀の超低金利政策が長期化して銀行の収益力が弱まる中、合併や経営統合による生き残りに二の足を踏む地銀に新たな選択肢を提示する。

 現行制度では、大手銀、地銀のいずれも、連結決算対象外の他行に出資した場合、出資額に応じて自己資本の一部が差し引かれ、比率が低下する。出資先の銀行が経営破綻すると、出資元の経営も傾き、連鎖倒産する可能性があるため、規制で出資を難しくしている。ただし、破綻の危機に直面している他行の救済が目的の場合は、出資しても自己資本比率が低下しない特例がある。

 今回、この特例の対象を地銀に限って広げ「すぐに破綻の危機が迫る恐れはないが、将来にわたる財務の健全性に課題がある他行への出資」にも適用する。具体的には、国内で銀行業を営むのに必要な4%の自己資本比率を割り込む危険がある地銀などへの出資が対象になる見通しだ。

 資金の出し手にとっては、資金支援した銀行の経営が改善すれば配当収入が増える。加えて、関係が深まることで経営統合なども視野にグループの経営基盤を強化することを期待できる。

 金融庁は全国地方銀行協会に監督指針の改正案を示した。特例を適用するかどうかの判断では、出資先の銀行が地元企業や地域住民を対象に、融資や金融サービスを通じて引き続き地域経済の発展に貢献することを重視するとした。

 政府は、地銀の統合で地域での融資シェアが高まる場合でも、10年限定で独占禁止法を適用せず、特例的に認めることにし、来年の通常国会に法案を提出する。金融庁は、他行からの出資受け入れという選択肢も用意し、厳しい経営環境に置かれた地銀を後押しする。

 ただ資金支援で経営危機を回避できたとしても、成長戦略を描けなければ一時的な延命にしかならず、効果が限定的になる懸念もある。

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