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トヨタ最終益過去最高 他社と連携、変革加速

 米中貿易摩擦などによる世界的な景気減速を背景に多くの自動車メーカーの業績が悪化する中、2019年9月中間連結決算で過去最高の最終利益をたたき出したトヨタ自動車。新型車の販売は好調な上、継続的なコスト低減も効果を発揮するなど、“地力”の強さを見せつけた。それでも7日の決算会見でトヨタ首脳は、次世代技術の発達による「大変革期」を見据え、改めて危機感を示した。対応に向け、スズキ、SUBARU(スバル)との関係強化や海外勢との連携を急いでいる。

 各社の中間決算をみると、スズキ、三菱自動車、マツダが軒並み利益を減らし、通期業績の下方修正も相次ぐ。だがトヨタは日本、北米での新型車の販売が牽引した上、「カイゼン」に代表される地道なコスト低減努力による収益改善効果も通期で2500億円程度になる。

 しかし、会見で河合満副社長は「選ばれるトヨタ、選ばれる人にならないと変革期に生き残ることはできない」と、先行きへの懸念を語ることに時間を費やした。

 例えば、グループ内の主要部品メーカーであるデンソーやアイシン精機などが通期業績見通しを下方修正。トヨタ自体も、インドやインドネシアでの景気減速を踏まえ、前期比増を見込んでいた通期の連結販売台数見通しを引き下げ、一転、減少を見込んだ。激しい販売競争の一方で次世代技術への対応も手を抜けず、今期の研究開発費は1兆1000億円に膨らむ見込みだ。

 こうした中、トヨタが進めるのが「仲間づくり」(豊田章男社長)だ。電気自動車(EV)の基幹技術開発など、コストを複数の社で分担するほか、各社の強みを融合して商品力や販売力を強化する狙いがある。8月にスズキとの資本提携、9月にスバルとの資本提携強化を発表。トヨタの関連会社になるスバルの中村知美社長は「切磋琢磨し次世代技術対応力を強め、いい車づくりを加速する」と強調。株式の持ち合いを、トヨタは信頼関係を示す手段として利用している。スズキの鈴木俊宏社長は「日本流に『気は心』ということで実のあるものを作り上げる」と語る。

 7日には、中国の「比亜迪(BYD)」とEV開発の合弁会社設立で合意したと発表。国内外での仲間づくりで、メーカーを超え、モビリティー(移動)の総合サービス会社への変革を加速する構えだ。トヨタの近健太執行役員は「変革のための仲間づくりや投資を、豊田社長らが非常に速いスピードで決断している」と指摘した。(今村義丈)

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