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19年9月中間 貿易摩擦で石化製品低迷 化学合繊6社とも最終減益

 化学合繊大手6社の2019年9月中間連結決算が7日出そろい、全社が最終減益となった。米中貿易摩擦や中国経済の減速で石油化学製品の販売が低迷。自動車や半導体向けの高機能素材も振るわなかった。ナフサ(粗製ガソリン)などの原燃料価格が下がり、製品価格が落ち込んだことも響いた。

 7日に決算を発表した東レは、繊維事業で衣料用の販売が振るわず、エアバッグ素材などの産業用も海外中心に自動車生産が減少した影響などを受けた。樹脂や光学フィルムなどの機能化成品事業も低調に推移。炭素繊維事業は、低迷した前年同期の反動もあり増収増益となった。

 三菱ケミカルホールディングス(HD)は、アクリル樹脂原料などの市況悪化が重荷となった。住友化学は市況悪化に加えて、円高ドル安の進行も響いた。旭化成は唯一、増収を確保したものの、買収先の収益が加わった影響を除けば実質減収だった。

 通期予想は全社が下方修正した。7日に記者会見した東レの阿部晃一副社長は「中国経済減速の影響が如実に表れている。この状況はしばらく続く」と見通しを述べた。

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 ■化学合繊大手6社の2019年9月中間連結決算

 (売上高/最終利益)

 三菱ケミカルHD 1兆8276(▲2.9)/813(▲32.4)

 東レ       1兆1223(▲5.8)/456(▲ 5.9)

 住友化学     1兆1075(▲1.3)/297(▲51.7)

 旭化成      1兆 686( 2.6)/778(▲ 1.3)

 三井化学       6749(▲6.4)/117(▲71.8)

 帝人         4360(▲0.8)/204(▲39.7)

 ※単位は億円。カッコ内は前年同期比増減率%。▲はマイナス、三菱ケミカルHDと住友化学は国際会計基準

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