自動車大手7社の2019年9月中間連結決算が12日、出そろった。新型車が好調のトヨタ自動車とSUBARU(スバル)は増収増益だったが、5社は各国での販売低迷と円高などで軒並み減収減益だった。
通期業績予想も、夏に引き下げていたトヨタ以外の6社が下方修正した結果、スバルを除く6社が減収減益見通しとなって先行きにも暗雲が漂う。
中間期が10年ぶり減収減益のスズキは、主力のインドでの四輪販売台数が前年同期比26.5%減となった痛手から、本業のもうけを示す営業利益が4割減った。三菱自動車は主要生産拠点があるタイのバーツ高も加わった為替影響とインドネシアなどの販売減で、営業利益が82.0%減と大きく落ち込んだ。成長市場として各社の業績を牽引(けんいん)してきたアジア市場の変調が鮮明になってきた。
マツダは、米国での販売費用を大きく改善したが、為替での減益額が上回った。
一方、スバルは米国のスポーツ用多目的車(SUV)が、トヨタは中国のハイブリッド車(HV)が伸びた。トヨタは売上高、最終利益、連結販売台数で中間期最高を更新し、1強状態だ。
ただ、通期は、スバルが前期に検査不正問題の影響があった反動で増収増益を予定するが、トヨタは減収減益の予想。ホンダは8年ぶり減収減益、三菱自は最終利益96.2%減を見込み厳しい局面が続きそうだ。
自動車大手7社の2019年9月中間連結決算
(売上高/営業利益/最終利益)
トヨタ 15兆2855(4.2)/1兆4043(11.3)/1兆2749(2.6)
ホンダ 7兆7253(▲1.8)/4726( ▲8.0)/3688(▲19.0)
日 産 5兆30(▲9.6)/ 316(▲85.0)/ 653(▲73.5)
スズキ 1兆7554(▲9.0)/1186(▲40.2)/ 793(▲41.8)
マツダ 1兆7065(▲1.3)/ 258(▲13.5)/ 166(▲30.3)
スバル 1兆6056( 7.7)/ 948( 68.1)/ 682( 58.4)
三菱自 1兆1279(▲3.5)/ 102(▲82.0)/ 25(▲95.0)
※単位は億円、カッコ内は前年同期比増減率%、▲はマイナス