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スマホ決済 消耗戦に対抗 ヤフー・LINE経営統合

 ポータルサイト「ヤフー」を展開するZホールディングスと無料通信アプリを展開するLINE(ライン)が週明けにも経営統合に合意する。サービスが暮らしに深く入り込む両社の統合が実現すると、消費者の利便性や生活はどう変わるのか。Q&A方式でまとめた。

 Q 統合でサービスはどうなるのか

 A 両社は買い物から決済、金融、メディア、娯楽までさまざまなサービスをインターネット上で展開する。まず、考えられるのがサービス連携だ。例えば、スマートフォン決済の分野ではヤフーは「ペイペイ」、LINEは「LINEペイ」があるが、両者が協力すれば、利用者同士が異なるサービスをまたいで送金し合ったり、どちらが契約している加盟店でも両方のアプリで決済できたりするようになる。

 Q 異なるサービス間の連携は

 A 8千万人を超える通信アプリ「LINE」から、ヤフーの電子商取引(EC)サイト「ヤフーショッピング」に手軽にアクセスして注文するなど、顧客を相互に誘導することも可能になる。スマホ経由で10~20代の若年層の利用が多いLINEと、30代以上で古くからのパソコンユーザーの利用が主体のヤフーは顧客層の補完関係が働き、それぞれのサービスで顧客を拡大する効果が期待できそうだ。

 Q 同じサービスを統合しないのか

 A 当面は独立した状態で進みそうだが、競争関係にあるサービスは統合に向かうことが想定される。スマホ決済の分野では、共に利用促進のため100億円を超える還元など大規模なキャンペーンを打ち、先行投資がかさんで赤字だが、統合すれば投資を効率化できる。MMD研究所の調べではスマホ決済の利用率はペイペイがシェア44・2%で独走し、LINEペイは3位。統合によりシェアは過半に達し、乱立するスマホ決済での消耗戦に勝ち残れる圧倒的な存在となる。

 Q 最終的には何を目指す

 A 1つのスマホ向けアプリで生活全般に関わるサービスを提供する「スーパーアプリ」だ。生活に欠かせなくなったスマホアプリだが、サービスごとに別のアプリを入れたり、立ち上げたりする煩わしい手間が不要になれば、利便性は高まる。代表的なのは中国のアリババグループや騰訊控股(テンセント)で、ヤフーは前者、LINEは後者をベンチマークにしてきた。統合によって、ヤフーとLINEはそれぞれ持っていなかった機能を補完できるため、日本でのスーパーアプリ実現も一気に現実味を帯びる。

 Q スーパーアプリが誕生するとどうなる

 A 一元化したアプリを通じて消費者の生活に関わる膨大なデータが集まってくる。それを基に個人の好みを分析して、消費者にマッチした商品やサービスを開発し、さらに消費を活性化できるようになる。ネットを通じたこうした循環は社会構造を変革させ、日本のデジタル化の大きな推進力になる可能性を秘めている。(万福博之)

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