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変貌する「駅ナカ」事情 新聞や雑誌が細る一方で、新たな売れ筋が (2/3ページ)

 駅の中のドラッグストアには、意外と「必要なもの」があふれている。急に頭が痛くなったり、胃の調子が悪くなったり、疲れて高めの栄養ドリンクを飲みたいこともある。こうした急な需要に応えるのが、駅ナカ薬局の使命である。バラエティを確保するよりも、必要ゆえに存在していて、もっと増やしてほしいとさえ感じる。

 革靴で歩いていると、急に靴の調子が悪くなることがある。その場合には、「ミスターミニット」などに行くとよい。汚い靴をみがいてくれたり、修理などをしてくれたりする。JR東日本では5駅に、東京メトロでは23駅にある。

 「現金」に関しても、駅ナカにATMが設置されることが多くなり、キャッシュレスがさかんになった現代でも急に現金が必要になったときには、いつでも引き出せる。ビューカードのATMは銀行のATMとしても使用できる。加えて、セブン銀行や一般の銀行のATMも駅に設置されている。

 「必要なもの」を扱うビジネスも、増えてきているのだ。

 最近は、駅ナカに「ユニクロ」や書店などがある。長距離の特急や新幹線などに乗る前に、行った先(特にその地が寒い場合)のことを考えて衣類を買ったり、長距離鉄道の中で読む本を買ったりすることができるようになった。こうした充実ぶりも、最近の駅ナカを語る上では欠かせない。JR東日本の駅で「ユニクロ」があるのは14駅となっている。

 もちろん弁当も、その駅の駅弁だけではなく、各地の駅弁をそろえたお店もあり、多くの人でにぎわっている。そういった弁当店は、東京駅や新宿駅などにある。「必要なもの」だけでも、バラエティ豊かになっているのだ。

 「売りたいもの」があふれる駅ナカ

 東京駅のような大きな駅になると、駅ナカにはスイーツ、総菜、弁当などがたくさん並んでいる。JR東日本は駅ナカ事業に力を入れており、その一環として、単なる必要性を超えた、「売りたい」という意志を反映した商品に力を入れている。

 考えてみると、スイーツや総菜などは本来なら「なくてもいい」ものである。しかし、駅ナカでの消費を活性化させ、企業としての利益を追求するために、こういったものが設置されるようになったのである。「必要なもの」から「売りたいもの」への移行が、駅ナカ施設内では起こっている。

 そういった「売りたいもの」が、駅ナカの魅力をさらに高め、多くの人が駅に集まるようになっている。

 駅ナカの飲食店といえば、かつては駅そばが中心だった。その後、駅の中にコーヒーショップができ、そこで軽食も食べられるようになった。このほかにも、さまざまな飲食店が駅の中にはある。

 歴史も長く有名なところだと、京王電鉄のカレー「C&C」がある。京王には「高幡そば」があるが、こちらを扱っている駅は2駅と少なく、カレー店のほうが多い。そのうえ、京王エリア以外の東京メトロ駅などにも店舗網を拡大している。駅の食べ物として、京王はカレーに力を入れ、新宿の本店ではいつも多くの人でにぎわうほど繁盛している。また、パンとコーヒーを出すカフェ「ルパ」も増えている。

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