政府は17日までに、旅客手続きの大幅な効率化に向けて普及を目指す、顔認証技術(顔パス)による搭乗手続きに関し、個人情報の取得・管理のルールなどを定めたガイドライン(指針)を策定する方針を固めた。情報流出などの不安を払拭するため、個人データの24時間以内の消去を明文化することも検討する。国土交通省が今年度内にも指針をまとめ、東京五輪・パラリンピック開催時の空港での混雑解消などにつなげたい考えだ。
顔認証による搭乗手続きは成田空港の一部ターミナルで来春にも導入される予定。ただ、空港で撮影した乗客の顔写真をパスポートの個人情報と結びつける仕組みのため、情報流出などが起きることへの不安も大きい。このため、国交省は指針で個人情報がやりとりされる範囲や、乗客の同意の取得方法に関するルールを定めた指針を策定する。
顔認証による搭乗手続きは成田空港に続き、羽田空港でも導入される計画。国交省は指針を明確化することで、関西空港や中部空港など他の主要空港への普及を促す狙いだ。
成田空港で導入予定のシステムは、チェックインなど空港での最初の手続きの際に搭乗者の顔写真を撮影し、パスポートや搭乗券の情報と組み合わせたIDを作成。その後の保安検査や搭乗の際には、その場に設置されたカメラが顔情報を読み取り、IDの情報と照合することで本人確認を行う。
乗客はパスポートなどを提示する機会が減り、混雑の解消につながると期待される。また空港側にも人手を減らせる利点がある。ただ、出国管理手続きは国が行うため、乗客本人は再度パスポートや搭乗券を示す必要がある。
国交省が10月に開いた、顔認証による搭乗手続きに関する検討会には、航空関係者や個人情報保護分野の専門家も出席。個人情報の取り扱いについて、「(乗客に)同意させれば(取得した側は)何をしてもよいということではないという考え方を明確に発信すべきだ」との意見が出ていた。