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ローカル5G実験施設 関西電力子会社が開設へ

 工場やショッピングセンターなどのエリア限定で第5世代(5G)移動通信システムを提供する「ローカル5G」サービスへの参入に向けて、関西電力の通信子会社「オプテージ」が、顧客企業などが利用できる実験施設を開設することが17日、分かった。今年度内に同社本社ビル(大阪市中央区城見)に設置する。来年には大手通信事業者による5Gの商用サービスがスタートする予定で、同社はローカル5G技術を検証できる体制を整備し、顧客獲得を急ぐ。

 5Gは、現行の4Gに比べはるかに大容量の通信が可能で、スムーズに多数の端末を同時に接続できるのが特徴だ。

 ローカル5Gは全国的な携帯電話網と異なり、対象エリア内で一定の周波数帯を独占利用できる仕組み。対象区域までは既存の光回線を使用するため、電波基地局を広域に敷設する必要がない。工場に導入すれば、ロボットや生産ラインなどを大規模に無線制御でき、配線組み替えの手間なく、設備のレイアウト変更や省力化をしやすくするメリットがある。

 ただ、ローカル5Gサービスは、それぞれの施設にあわせたシステムを顧客と一緒に作り上げていく開発体制が重要になる。そこでオプテージは、5Gを活用したロボットの遠隔制御、4K・8Kの超高精細映像配信などを研究できるラボを設置。製造業だけでなく、教育研究機関や病院など幅広い業種の利用を促し、協力してシステムを構築していく。

 オプテージは近畿2府4県で自前の光回線と組み合わせてローカル5Gを提供し、他社回線を使って全国でも事業を展開する方針だ。

 ローカル5Gでは、NTT東日本が10月、東京大学と共同で「オープンラボ」を来年2月に都内で設立すると発表。ケーブルテレビ会社なども参入に強い関心を寄せている。総務省は12月にローカル5Gの免許申請の受け付けを始める方針で、電機メーカーの参入も相次ぎそうだ。

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