検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)と無料通信アプリを提供するLINEは18日、経営統合について基本合意したと発表した。12月をめどに最終契約を結び、来年10月の統合完了を目指す。統合によって利用者が1億人規模にのぼる国内最大のプラットフォーマーが誕生する。台頭する米中の巨大IT企業に対抗する。
18日午後5時からZHDの川辺健太郎社長とLINEの出沢剛社長が都内で記者会見を開き、経営統合の狙いなどについて説明する。
統合のスキームは、ZHDの株式を4割超握るソフトバンクと、LINEの株式の7割超を握る韓国ネイバーが50%ずつ出資する共同出資会社を設置する。この共同出資会社がZHDの親会社になり、ZHDの傘下に100%子会社としてヤフーとLINEをぶらさげる。
統合後のZHDの社長兼共同最高経営責任者(CEO)は川辺氏となり、出沢氏も共同CEOに就く。
統合に向けては、公正取引委員会による独占禁止法上の審査などの認可を得ることが必要になる。
検索サイトで成長したヤフーはネット通販やニュース、動画コンテンツの配信などで約5千万人の利用者を持つ。LINEの通信アプリの利用者は約8千万人。ZHDとLINEの直近の連結売上高を単純合算すると約1兆1600億円になり、約1兆1千億円の楽天を抜いて、国内の主要なネット企業で首位に立つ。
検索やSNS(会員制交流サイト)、通販、金融など生活に必要なさまざまなネットサービスをネット上で一括して提供できるようになる。世界を席巻する米グーグルやアマゾン・コムなど「GAFA」や中国の巨大IT企業などに国内勢として対抗軸をつくる。