生かせ!知財ビジネス

思い込みの排除をしたときに“インサイト”が生まれる

 特許や論文の内容を独自のアルゴリズムで高次元解析して俯瞰(ふかん)図に可視化するサービスを中心に、企業の経営や技術戦略を支援しているVALUENEX(バリューネックス)。中村達生最高経営責任者(CEO)に「インサイト」(気付き)の重要性について聞いた。

 --日本企業が長く停滞していた反動か、近年はイノベーションが合言葉になっている

 「グローバルに働いていて感じるのは、日本が急速に後退していること。新事業フォーラムやIoT(モノのインターネット)セミナーで講演するとき、海外企業の後追いで新事業を興したり、セミナーを聞いて新デバイスを開発しても意味がない、と話している。(巨大IT企業の)GAFAの隙をついてプラットフォーマーになろうという話もするが、GAFAも今や隙間を埋めつつある」

 --まねごとでは、結局置いていかれると

 「わが社のサービスではインサイトを提供している。効率良く生産し大量にモノを売る時代から、今は新しいモノ・ゴトをどんどん生み出していく時代だ。新しくゼロから生み出すことは難しいが、意外に近くにあり、できるのに気付いていないことが結構あるのでは」

 --なぜ気付かないのか

 「金融・証券系ではセグメント(業種)という言葉をよく使うが、既存ジャンルに当てはまらない新しい企業や技術を見落としてしまう。知財の世界も国際特許分類であるIPCやFタームだけで解析していては、新しい技術や技術と技術の間にある空白領域は多分、見えてはこない」

 --既存の概念やアプローチを変えるべきだと

 「俯瞰とは、別のルートが見えるということ。一見、遠回りに思える作業だが、実は早い。思い込みを排除したときが、インサイトが生まれるときだ」

 --インサイト促進に何かしているのか

 「東京本社は、インサイトの出やすいオフィス環境を意識している。森や浜辺のイメージを取り入れ、環境音を流し、間にデスクを配置し、考えながら歩ける小道や運動スペースがある。至る所に黒板を置き、アイデアが浮かべばすぐ書き留めることができる。社員の席や使用は自由。これらの環境の効果は今後検証していきたい」

 --上場1周年となった

 「リニアな成長を求めるのか、投資をして仕掛けを作る段階なのか、どちらかといえば後者だ。地道な成長を続けながら、5年、10年後、大きくなっていたい」。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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