大阪府吹田市特産でおせち料理などに使われる「吹田くわい」の収穫作業が、同市江坂町の平野農園で行われた。地域住民や市内にある大阪学院大の学生ら約100人が参加し、泥まみれになりながら約40キロを収穫した。
吹田くわいは、地中の茎の部分がおせち料理に使われ、縁起物として親しまれてきた。水田などに自然に生えたものが食べられてきたが、戦後には宅地開発などでほとんど見られなくなった。
そんな中、市民らが立ち上がり、昭和60年に「吹田くわい保存会」を結成。会は平成24年に同農園を「吹田くわい保存田」に指定し、植え付けや収穫が行われている。
今回の収穫の参加者たちは鍬(くわ)を持って畑に入り、地中にある吹田くわいの茎の部分を掘り起こしていった。農園主の平野紘一さん(79)は「今年は暑かったが、大きく育った」と話していた。