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「カール」を愛媛のご当地土産に 明治、「唯一の工場」アピール 観光客に人気

 麦わら帽子に口ひげを蓄えた「カールおじさん」で知られ、2017年から西日本でしか手に入らなくなった明治のスナック菓子「カール」。全国で唯一の生産地となった松山市では、販売縮小をきっかけにご当地土産としてカールを買い求める観光客が増え、県の「特産品」として新たな注目を集めている。

 「ようこそカールの松山へ」。土産店が立ち並ぶ松山空港1階では、カールおじさんと明治の松山工場が描かれた看板が目を引く。ファミリーマート松山空港店では、搭乗前の多くの客がカールを手にしていた。東京から来た会社員中川貴文さん(35)は「どこでも買えたときは買わなかったが、近くで買えなくなってからは愛媛に来るたびに買っている」という。

 カールは1968年に登場。最盛期の90年代には年間190億円を売り上げた。だが消費者の好みはコーン風味からポテト風味に変化し、売り上げが減少。販売終了が検討された。

 長年愛されてきた商品を残したいという声は社内でも根強く、2017年8月、全国に5カ所あった生産拠点を松山市の工場に限定。東日本と西日本では売り上げは同じだったが、流通コストを考え、西日本のみでの販売に縮小した。

 販売縮小を受け、会員制交流サイト(SNS)では「ショック」「もう簡単に食べられない」と悲しむ声が相次ぎ、明治にも惜しむ声や問い合わせの電話が殺到した。各地のスーパーなどでは一時品薄になった。その後、愛媛県を中心に西日本のお土産としてカールを購入する客が増え始めた。松山市で県の特産品を販売するイベントでもカールの試食品が並び、すっかり県の「特産品」になりつつある。

 四国明治の担当者は「思わぬ展開だったが、観光客にも地元の人にも愛される結果になり、ありがたい」と喜ぶ。カール製造に20年以上携わる松山工場生産部の黒田洋一製造課長(46)は「カールのブランドの大きさを考えるとプレッシャーもあるが、お客さまのためにおいしいカールを届け続けたい」と意気込んだ。

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