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ドコモ、アマゾンプライムを1年無料に 動画強化で連携

 NTTドコモと米アマゾン・コムの日本法人「アマゾンジャパン」は26日、ドコモが6月から開始した新料金プランの契約者に対し、アマゾンの電子商取引(EC)の送料が無料になったり、映画や音楽コンテンツが楽しめたりする定額サービス「アマゾンプライム」を1年間無料にすると発表した。第5世代(5G)移動通信システムの商用化を見すえ、動画コンテンツを充実させる狙いもある。スマートフォン決済などでも連携が強まれば、5G時代の陣営作りが加速する可能性もある。

 12月から申し込みを受け付ける。ドコモの新料金プランのうち、大容量プラン「ギガホ」での割引は申込期限を設けないが、小容量の「ギガライト」向けは一時的なキャンペーンとする。相互の会員数を増加させるとともに、アマゾンのECに導入されているドコモのスマホ決済「d払い」の利用拡大につなげる。

 アマゾンの定額サービスには、映画や音楽などの配信サービスも含まれているのが特長だ。高速大容量化する5Gの商用化が進めば、動画視聴が一気に増加すると見込まれている。ドコモは12月から新料金プランの契約者向けに米ウォルト・ディズニーの日本法人と提供している動画配信サービスを1年間無料にするなど、動画コンテンツを強化している。ドコモの吉沢和弘社長は「サービスと料金が融合した形が、5Gの料金体系の柱になっていく」と説明した。

 ドコモにとって、アマゾンとの連携はECとスマホ決済、コンテンツを強化できる“一石三鳥”の一手だ。吉沢氏は「相互の顧客価値を向上できるいろいろな可能性がある」とアマゾンとの協力をさらに深める姿勢をみせる。

 動画配信をめぐっては、KDDI(au)が米動画配信大手ネットフリックスの料金が含まれた大容量プランを提供。米フェイスブックとも5G向けの映像コンテンツを共同開発する。ECでは楽天と配送網を共有するなど、協力関係にあり、スマホ決済の加盟店開拓などでも連携している。

 ソフトバンクは、大容量プランで米動画配信大手フールーやユーチューブでのデータ通信量を加算しない「ゼロレーティング」の対象にするなど、動画サービスに注力。傘下のヤフーと無料通信アプリのLINE(ライン)の統合に動き出しており、合従連衡を進めている。

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