ライブ、スポーツで
日本の事業者が運営するサービスも、こうした“黒船”に対抗する。フジテレビが運営する「FODプレミアム」は、ドラマ「ヤヌスの鏡」などのオリジナルコンテンツを制作。日本テレビ系の「Hulu(フールー)」、TBSホールディングスやテレビ東京ホールディングス、日本経済新聞社などが出資する「Paravi(パラビ)」、NTTドコモなどの「dTV」も独自のドラマ、バラエティー作品などを特色として挙げる。
また、国内のサービスが力を入れるコンテンツの一つがライブ配信だ。「外資では少ないライブ配信など、いろいろな合わせ技でお客さまを獲得したい」(民放幹部)。ラグビーワールドカップを配信したフールーでは、10月5日の日本対サモア戦がスポーツコンテンツリアルタイム配信で過去最高の視聴者数を記録した。
「インターネット動画メディア論」の著書がある筑波大の辻泰明教授(映像メディア論)は現在の市場について、「外資、国内事業者とも、動画配信だけで大きな黒字を出している事業者はないと思う。世界的にも群雄割拠の戦国時代に突入している。だが、動画配信は単なる経済上の問題ではない。1つの事業者で市場が独占された場合、自国の個性をどうするのかという議論が世界的には起きている。そうした文化的問題があることも知っておくべきだ」と指摘した。