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クラフトジン市場が急拡大 地元食材・自前の酒、こだわりの味

 地元の食材を活用するなど味や製法にこだわった「クラフトジン(ご当地ジン)」の人気が、ここ数年で急速に高まっている。自前の酒を原料に使うことで投資が抑えられるため、小規模な酒造会社の参入も相次ぐ。焼酎や日本酒の市場の大幅な伸びが見込めない中、新たな収益の柱にと各社が開発を競っている。

 高価格帯の商品が多い日本産ジンの草分け的な存在は、宮下酒造(岡山市)が2016年に発売した「クラフトジン岡山」(500ミリリットル入りで5500円)だ。自社の米焼酎をベースに地元産の白桃やブドウの皮などを漬け込んで蒸留。焼酎を貯蔵する樫だるを使って熟成することで、豊かな香りだけでなく味わいにまろやかさが加わる。

 オーストラリアや中国をはじめ5カ国に輸出され、今年10月に岡山市で開かれた20カ国・地域(G20)保健相会合の夕食会で提供。宮下晃一専務は「和食や肉料理などさまざまな食事に合う」と、人気の理由を語る。

 クラフトジンは原料の自由度が高い。まさひろ酒造(沖縄県糸満市)の「まさひろオキナワジン レシピ01」(700ミリリットル入りで3300円)は、泡盛をベースにゴーヤーなどを香り付けに使用している。那覇市でバーを営む貞岡結子さんは「ご当地の素材の風味や味わいで地域がイメージでき、飲んだ人を引きつけている」と話す。

 わずか数年で全国の20社以上が参入し、市場は急拡大している。大手ではサントリースピリッツが「ROKU」、アサヒビールが「ニッカ カフェジン」を発売した。

【用語解説】クラフトジン

 明確な定義はないが、大麦などを原料とした蒸留酒ジンの中で、一般的には特に素材や製法にこだわったものを指す。英国を皮切りに各国で流行し、高価格帯の商品が多い。焼酎などの製造ノウハウを生かせるほか、ウイスキーのような長期の熟成時間を必要としないこともあり、日本でも酒造会社の参入が目立つ。

 サントリースピリッツ(東京)の推計によると、日本では1本22.5ドル(約2450円)以上のジン出荷量が、2018年に前年の約1.8倍となった。

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