一方、運用難が続く投資家側の事情は深刻だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券デット・キャピタル・マーケット部の池崎陽大部長は「より利回りを貪欲に求めるようになり、国債の代わりに社債を買う動きが強まっている」と話す。
投資家の需要の強さを裏付けるように、実質0%の社債や「ハイイールド債」と呼ばれる格付けの低い社債も出てきた。
大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは「日本企業は資金調達で長らく銀行に頼ってきた。社債や株式を発行し市場を通した資金調達が増えることは、企業に財務戦略の柔軟性をもたらす」として、社債市場の拡大を歓迎している。(米沢文)
社債 企業が資金調達手段のひとつとして発行する債券。銀行や保険会社、資産運用会社などの機関投資家が買って運用する。発行体企業は投資家に対し、利息を支払い、償還日を迎えると元本を返済する。銀行から借り入れるよりも、中長期の資金を調達しやすいメリットがある。格付けが高いほど有利な条件で発行できる。