JR九州は、ディーゼルエンジンで発電し、モーターで走る省エネルギー化した新型ハイブリッド車両YC1系を、長崎県内の主に大村線経由の長崎-佐世保間で来年3月14日から営業運転する。一部の列車で運用する。少子高齢化を背景に鉄道輸送人員が頭打ちになり、収益が厳しくなる中で、省エネ車両の導入を進めて運行経費を圧縮する。
来年3月14日のダイヤ改正の目玉となる。現在使っている国鉄時代の1974~75年製のディーゼル車両キハ66・67より燃料消費量を約2割低減でき、幹部は「YC1系を順次増やし、キハ66・67を全て廃車にする」と説明する。
YC1系は2両編成で、黒色になった先頭部の周囲に発光ダイオード(LED)を並べて縁取ったデザインが特色。1両の客室に両開き扉を3カ所設け、キハ66・67より1カ所増やすことで通勤通学客が多い朝夕のラッシュ時もスムーズに乗り降りできるようにした。
省エネのためブレーキ時に発生した電力を蓄電池に蓄え、活用する技術も搭載。長崎と佐世保を結ぶ快速・区間快速の「シーサイドライナー」や普通列車で運用する。
省エネ車両では、今年3月に主に鹿児島線小倉(北九州市)-荒尾(熊本県)間で運転を始めた電車821系を、来年3月14日以降に追加導入する。3両編成で、旧国鉄時代に登場した電車415系と置き換える。821系の消費電力量は、415系より約7割減る。