金融

「50年債」発行、市場に期待 利ざや確保、日銀総裁も“援軍”

 国債の償還期限が現行で最長の40年よりもさらに長い「50年物」の発行に期待する声が金融市場に出ている。

 10年債でも利回りがマイナス圏に沈む超低金利の金融環境で、機関投資家の間に少しでも利ざやを取れる投資対象へのニーズがあるためだ。ただ、国債発行計画を決める財務省は慎重な姿勢を崩しておらず、温度差はなお大きい。

 財務省が9月下旬に開いた「国債市場特別参加者会合」では「50年債の発行について今後の検討課題としてほしい」との意見が出た。

 民間では既に三菱地所やJR東日本が50年物の社債を発行し、10月下旬に開かれた国の債務管理に関する有識者会議でも「国債に関しても、50年債を含めて年限を延ばす可能性があるのかは重要な論点になる」との声があった。

 長期国債の買い手である生保大手の関係者は「少しでも利回りの高い超長期市場が拡大するのは望ましい」と語る。

 思わぬ「援軍」も現れた。日銀の黒田東彦総裁は11月上旬の記者会見で「50年債を発行するとか、超長期債の発行を増やすことが仮にあるならば、金利が過度に下がることを防ぐ意味がある」と発言。マイナス金利政策による運用難への不満が強い中、50年債を前向きに評価することで生保など機関投資家に配慮を示した。

 一方で財務省は、2007年に発行した40年債への需要と重なり、毎回の発行分を消化できるかどうかが不透明として「現時点では50年債を検討していない」と明言。政府側からは日銀に対しても「金融政策がうまく運んでおらず、こちらに議論の矛先を向けている」との声が聞かれる。

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