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新年を彩る福袋…「終活」や「花園で記念撮影」も 各百貨店がサービス拡充進める

 新年を彩る福袋で、各百貨店が体験型の商品やサービスの拡充を進めている。今年1年の話題を反映した「ラグビーワールドカップ(W杯)」や「令和」「世界文化遺産登録」などをテーマにしたユニークな福袋も登場。近年、盛り上がりを見せる体験型の商品やサービスを楽しむ「コト消費」を意識したラインアップで、特別な思い出づくりを演出する。(山本考志)

 今年の話題を反映

 阪急うめだ本店(大阪市北区)は、今秋に日本で開催されたラグビーW杯にちなんだ福袋をそろえる。

 各国が熱戦を繰り広げた花園ラグビー場(大阪府東大阪市)のグラウンドで、ウエディング姿での記念撮影ができるプラン(20万2千円、1組限定)を来年1月7日までインターネット上で抽選販売。W杯のために設けられた特別室でラグビーのトップリーグの試合を観戦しながら食事を楽しむプラン(1万円、親子30組60人限定)の応募も受け付けている。

 一方、高島屋各店は新元号「令和」の字を手掛けた書家、茂住青邨(もずみ・せいそん)氏に揮毫(きごう)してもらえるプラン(2020円、5人限定)を来年1月2、3日に抽選販売。購入者が希望した字(1~2字)を作品にし、額に入れて届けてもらえる。

 近鉄百貨店各店は、7月に大阪府内で初めて世界文化遺産登録された百舌鳥・古市古墳群を上空から見学できるヘリツアー(2万200円、2組4人限定)を、12月26日から来年1月3日まで受け付ける。

 ブームや社会情勢意識

 これらの今年の話題を反映したもの以外にも、近年のブームや社会情勢を意識した体験型福袋が相次いで企画されている。

 高島屋大阪店(大阪市中央区)は来年1月2、3日に店内で抽選販売するプランとして、若い世代の間で流行しているサウナを楽しむための「サウナ道~初心者入門編」(2020円)を企画。購入者はサウナ専門の口コミサイトを運営する瀬尾圭太氏らによるサウナ体験会やトークイベントに参加できる。

 SNS(会員制交流サイト)の「インスタ映え」を狙った福袋「ワタシだけの“映えるアート”をご自宅で体験」(5万円)もあり、新進気鋭のアーティスト、小澄源太さんと伊倉真理恵さんが購入者の自宅を訪ね、リビングなど好みの場所にペインティングを施してもらえる。

 阪急うめだ本店は、ぽっちゃり体型をおしゃれに見せる婦人ファッションブランド「チャービーカーヴィー」売り場の人気スタッフ、あーこさんを起用したプランを販売。あーこさんによるファッションコーディネートや食事会が楽しめるプラン(3万円)を用意する。

 大丸梅田店(大阪市北区)は「素晴らしい人生NAVI福袋」(30万円)と題して、人生の最期を迎えるための準備「終活」のサポートプランを企画。法律専門家による遺言作成のアドバイスや、遺影の生前撮影などがセットになる。

 特別な体験が味わえるコト消費型の福袋が増えていることについて、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「日用品などは安価に抑え、価値を認めたものにだけお金をかけるメリハリ消費の傾向が強まっていることが背景にある。百貨店にとっても、これまで接点のなかった客層を取り込むきっかけになるのでは」と分析している。

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