サービス

引越大手アート創業者、寺田千代乃社長が退任 関経連副会長など歴任

 引っ越し大手のアートコーポレーション(大阪市)は23日、創業以来42年間社長を務めてきた寺田千代乃氏(72)が代表権のない名誉会長に就き、長男で副社長の寺田政登(まさと)氏(50)が社長に昇格したと発表した。いずれも20日付。千代乃氏は関西を代表する女性経営者として知られる。持ち株会社のアートグループホールディングスの社長は続投する。

 アートコーポレーションによると、目標としていた連結売上高1千億円、営業利益100億円を平成30年度に達成したことから経営陣の若返りを図ったとしている。千代乃氏は「時代も令和にかわり、経営を次世代に委ねたい」などとするコメントを発表した。

 同社は昭和43年、千代乃氏が夫と運送業の「寺田運輸」を大阪府で創業したのが始まり。その後、高度経済成長とともにサラリーマンの転勤が増えることに着目。52年、引っ越し専門業の「アート引越センター」を設立した。

 電話番号の末尾を尻上がりで覚えやすい「0123」に統一する宣伝戦略、密閉されたコンテナ車で家財道具の殺虫サービスを提供するなどのアイデアで注目を集めた。業界大手へ成長させた夫婦の半生はテレビでドラマ化もされた。

 また、千代乃氏は関西経済同友会トップの代表幹事(平成14~16年)、関西経済連合会の副会長(17年~今年5月)をそれぞれ女性で初めて務め、観光振興などで手腕を振るった。

 平成29年には日本高校野球連盟の初の女性理事にも選出された。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus