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“プロ料理人御用達”の街が今や…アナタは何しにかっぱ橋道具街へ? (1/3ページ)

 食器や調理器具などのお店が軒を連ねるかっぱ橋道具街(東京都台東区)。もともとはプロの料理人が道具を買い求める場所だが、最近は外国人も多く訪れている。100年以上の歴史をもつかっぱ橋に何が起きているのか、経済ジャーナリストの高井尚之氏がリポートする――。

 テレビ番組ではおなじみのお買い物スポット

 「かっぱ橋道具街ですか? 外国人が来る街として、よくテレビでやっていますよね」

 筆者の問いかけに、知人の男性美容師はこう答えた。

 東京の下町、台東区松が谷地区と西浅草地区にある約170店の道具街は、南北約700メートルの商店街だ。厨房設備や器具、食品サンプルなど中小の店が立ち並ぶ。地下鉄の複数の駅(東京メトロ銀座線・田原町駅と同日比谷線・入谷駅)から、端の店まで徒歩5~6分程度。気軽に行きやすい場所も手伝い、テレビの情報番組の常連だ。

 例えば今年(2019年)夏にも「出没! アド街ック天国」(テレビ東京系。6月29日放送)の「浅草・合羽橋」の中で取り上げられた。その時の紹介内容は「おうちごはんが楽しくなる 夢のある道具がいっぱい」だった。

 台東区の二大繁華街・浅草と上野からも歩けるので、外国人観光客の姿が目立つ。日本人観光客も多く、毎年10月開催の「道具まつり」は、会期中に約40万人の人でにぎわう。

 開店準備がすべてそろう「プロのための街」

 だが、本来は観光客向けではなく、飲食店関係者という、プロの目利きに応える街だ。

 今ではあまり使われないが、「道具の合羽橋」は、もともと「東京三大問屋街」(六大問屋街ともいう)と言われた。ほかは「電器の秋葉原」や「衣料品の横山町」(日本橋横山町)が有名だ。

 「例えば、急に飲食店を出すことになっても、かっぱ橋道具街に来れば、厨房設備・冷蔵庫・冷蔵ショーケース、機械器具や食器、包丁、包装用品・容器・装飾品、製菓材料・喫茶材料から商品サンプル・白衣まで、あらゆる品がそろっています」

 こう話すのは、道具街を束ねる「東京合羽橋商店街振興組合」理事長の本(もと)健太郎氏だ。道具街の最古参店のひとつ「小松屋」社長でもある。

 外国人に人気の理由を、本氏はこう説明する。

 「どんな飲食店にも対応できる、品ぞろえの多様性が大きいでしょうね。1980年代のエスニックブームでは、東南アジア系のお客さんが多く来店されました。ウチの小松屋は和食・中華中心ですが、単色の色合いが昔からフランス人に人気です」

 この街の心意気を示す言葉がある。

 「よく『ウチにはないけど、近くの××という店にあります』と別の店を紹介します。大型量販店の接客で見かける、『商品は店頭にあるだけ』という商いはしません。先人からは(道具街は)『タテの百貨店のようであれ』と言われてきました」(本氏)

 ちなみに「かっぱ橋」の名前の由来は2つあり、江戸時代に合羽屋喜八の掘割工事を手伝った「河童」説と、侍や足軽が内職で作った「雨合羽」を干した橋=合羽橋から来ている。

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