金融

大分・豊和銀 権藤頭取インタビュー 経営統合「検討していない」

 大分県地盤の第二地方銀行、豊和銀行の権藤淳頭取(67)は共同通信のインタビューで、SBIホールディングス(HD)との資本業務提携や、他行との経営統合は「(公的資金注入や顧客からの支援を受けた過去を踏まえ)地域の取引先に恩返しをするという責務があり、検討していない」と否定した。

 日銀のマイナス金利政策で地銀の経営基盤が弱体化しているのを背景に、SBIHDは福島銀行や島根銀行との資本業務提携で合意して「第4のメガバンク構想」への参加を募る。豊和銀は一線を画し、地元中小企業の販路拡大を支援するサービス「Vサポート」の提供で「顧客の売り上げの向上に貢献するのが使命だ」との方針を示した。

 2016年に始めたVサポートは販売拡大を目指す中小企業に対し、販売先紹介や売上金の入金などを一括で支援する取り組み。累計売上高があらかじめ約束した金額を超えた場合だけ手数料を受け取る。19年11月末までに51社と契約、延べ596社への販売を仲介し、運転資金や設備投資など計67億5900万円の新規融資につながった。

 権藤氏は「本業に寄与できれば関係が深まり、真の顧客本位の取り組みとなる」と強調。Vサポート専用のデータベースシステムを宮崎太陽銀行(宮崎市)、南日本銀行(鹿児島市)と開発し、20年春から運用予定だ。

 豊和銀は不良債権処理で自己資本比率が国内基準の4%を下回った06年に、金融機能強化法に基づいて公的資金を受けた。17年には地元企業向けに優先株を発行して約80億円を調達するなどして財務基盤を強化してきた。権藤氏は「統合や再編が地域の企業にとって本当に幸福なのか。今は単独で生きていくことが従業員にとっても幸せだと考えている」と訴えた。

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