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水田の水管理IoTシステム販売へ IIJが無線通信2キロ対応センサー開発

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は農業IoTへの取り組みの一環として、水田の水管理を省力化する水田水管理IoTシステムを開発し、主に大規模な水田を保有する農家や農業共同経営体(JA)を対象に販売を開始する。

 IIJでは、2017年から農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」の支援を受け、水田の水管理の省力化を可能とする低コストなICT水管理システムの開発を進めてきた。静岡県磐田市、袋井市での3年間の実証実験を経て、長距離(約1~2キロメートル)の通信を可能とする無線方式のLoRaWANに対応した安価な水田センサーの開発に成功した。

 システムは、水田の水位と水温を測定するLoRaWAN対応のIoTセンサー(10台)と、センサーからデータを収集しクラウドに送信する無線基地局(1台)、スマートフォンでデータを閲覧するための専用アプリケーション(3年間の利用料)、センサーとデータを集積するクラウド間の通信料(3年分)をパッケージにしたスターターキット「水管理パックS」として販売する。

 このシステムを利用することで、自宅にいながらスマートフォンで圃場(ほじょう)の状況を把握でき、水田の水管理にかかる労働負荷を軽減できる。

 スターターキットの販売元は住友商事で、3月から提供する。販売価格は39万8000円(税別)。(インプレスウオッチ)

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