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東芝、車谷会長が4月に社長就任 権限集中で再生への改革加速

 東芝は、車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO、62)が4月1日付で社長兼CEOとなる人事を発表した。綱川智社長兼最高執行責任者(COO、64)は代表権のない会長に就任する。車谷氏はこれまでも実質トップとして経営再建の陣頭指揮を執ってきたが、より権限を集中させて意思決定を迅速化し、再生に向けた改革を加速させるのが狙い。

 18日開いた取締役会で決定した。不採算事業の整理には一定のめどが付き、今後は新体制の下で、あらゆる機器を通信でつなぐ「モノのインターネット(IoT)」や医療などの新規事業を育成。経営を成長路線に戻すことが課題となる。

 東芝の社長に外部から招いた人材が就任するのは48年ぶり。車谷氏は三井住友銀行副頭取や投資ファンド会長などを歴任し、2018年4月から東芝の会長兼CEOに就任。不正会計問題や原発事業の巨額損失などで揺らいだ東芝の経営の立て直しを進めてきた。

 東芝の生え抜きである綱川氏は16年6月から社長を務め、18年4月からCOOも兼務。車谷氏と二人三脚で再建に取り組んできた。

 東芝は企業財務に精通した車谷氏の下で米国の液化天然ガス(LNG)事業を売却するなど「負の遺産」を処理すると同時に財務基盤の強化を図ってきた。

 一方で経営再建の過程でかつての主力事業だった半導体部門などを売却したため、新たな収益の柱を育てることが課題だ。

【プロフィル】車谷暢昭氏

 くるまたに・のぶあき 東大卒。1980年三井銀行(現三井住友銀行)。取締役兼専務執行役員を経て2015年4月から同副頭取執行役員。17年5月から英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」日本法人会長兼共同代表。18年4月から東芝会長兼CEO。愛媛県出身。

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