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出光興産 アジア成長を主に販売量5割増へ

 出光興産社長・木藤俊一さんに聞く

 --2020年度からの中期経営計画と、30年を見据えた長期ビジョンを取りまとめた

 「中期計画は、出光と昭和シェル統合後初だ。ビジョンも含め、昨年4月から社内で議論をしてきたが、もともと両社の経営環境や業界の状況への認識は同じだったので、50年をどう想定するかを中心に議論してまとめた。さまざまなシナリオを想定したが、30年までは一定規模で石油などの化石燃料需要が世界市場で伸びていくという認識の下、まずは30年をターゲットとした」

 --国内は石油製品需要の落ち込みを想定している

 「人口減少や自動車の電動化などで、30年には3割減、40年には半減し、50年には7割減と予測している。一方で、新興国などでは経済発展に伴って電力需要が拡大していくため当面、世界需要は拡大する。これに対応し国内とアジア太平洋地域を合わせた安定供給体制を作り、その中で経営統合の効果を生かし、石油や基礎化学の分野でしっかりとした基盤をつくる」

 --具体的には

 「ベトナムのニソン製油所や米国子会社、オーストラリアのフリーダムなどの環太平洋地域のサプライチェーンを生かして、アジアの成長を取り込む。30年には海外販売を3000万キロリットルと、5割増を狙う」

 --石油以外の事業育成も重要になる

 「事業化できている潤滑油や高機能樹脂、再生可能エネルギー事業など現在の成長分野に加え、次世代のビジネス構築を図る。太陽電池のリサイクル技術やカーボンリサイクルなどが候補だ。これにデジタル技術を連携させるために、『デジタル変革室』を新設した」

 --米イランの対立で中東情勢が緊迫化している

 「原油の8割超を中東に頼る中で、調達先の多様化、分散に向けた努力を進めている」

【プロフィル】木藤俊一

 きとう・しゅんいち 慶大卒。1980年出光興産入社。執行役員経理部長、常務、副社長などを経て2018年4月から現職。神奈川県出身。

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