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岐阜和傘の魅力訴え業界に活気 若手女性職人の河合幹子さんが奮闘

 和傘の全国生産の7割弱を占め、江戸時代から受け継がれる岐阜和傘。職人の河合幹子さん(32)は「和紙の色合いと雨の当たる音が格別に美しい」と魅力を語る。洋傘の普及で職人が減少、高齢化が進む中、若い作り手の一人として「岐阜和傘の魅力を知ってもらい、業界を活気づけたい」と奮闘している。

 岐阜市にあるアパートの工房で、河合さんは月15本程度を作る。和傘は工程ごとに分業するのが一般的だが、河合さんはほぼ全ての作業を1人で行う。傘の華やかさとは対照的に、地味で根気のいる作業が続く。

 岐阜は骨の材料となる竹が豊富にあり、美濃和紙や撥水効果のあるエゴマ油などが入手しやすかったため、地場産業として発展した。長さは60センチ前後で女性にも持ちやすく、和紙に油を塗ると香りも楽しめる。

 河合さんの商品の中で人気が高いのは、月をイメージした無地の円に花柄を重ねたデザイン。岐阜和傘特有の閉じたときの細さを出すのに苦労するが、「和傘を買ってから、雨の日が楽しみになった」との客の声を励みにしている。

 小学生のころ、祖母で和傘職人の坂井田勝代さん(故人)らが営む和傘店に毎週のように通った。和傘の主流は無地だったが、勝代さんは花柄などのデザインを次々と生み出した。勝代さんの探究心に憧れ、将来は和傘を作りたいとの思いがあった。だが、勝代さんが亡くなると足が遠のき、気持ちは離れていった。大学卒業後、広告代理店や税理士事務所で働いたが、5年前に転機が訪れた。店を継いだ伯父に人手が足りないと誘われたのだ。

 母が体調を崩し1年ほどで店を退職したが、3年前に自身のブランド「●日和(●=全の王が十)」を立ち上げた。自ら作製した色鮮やかな和傘を会員制交流サイト(SNS)に投稿すると、注文が殺到。同世代からも問い合わせがあったという。職人の減少に危機感を抱きつつも、「和傘を産業として復活させて、若い人に魅力ある業界をつくっていきたい」と意欲を見せる。1本3万6000円から。

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