信用金庫の中央金融機関である信金中央金庫(信金中金)は28日、政府系中小企業支援機関の中小企業基盤整備機構(中小機構)と包括的業務提携した。中小企業金融のノウハウを、技術やサービスの開発や販路開拓、さらに事業承継などといったさまざまな事業支援に生かす。
両者はこれまで、震災復興支援と海外展開支援に関する分野での業務協力協定を結んできたが、中小企業を取り巻く経営課題が多岐に広がるなか、両者の協力が不可欠との認識で一致した。
後継者難で親族外への事業承継が増える傾向にあるなか、既存のM&A(企業の買収・合併)仲介会社では扱いにくい中小企業のM&Aの支援に向けて連携して取り組む。また両者は3月に外国人材の活用をテーマにした中小企業経営者向けのセミナーを開く。
同日、東京都中央区の信金中金での会見で、信金中金の柴田弘之理事長は「中小機構の支援メニューを活用して、地域経済の活性化につなげたい」、中小機構の豊永厚志理事長も「中小企業支援の現場で信金のネットワークは非常にありがたい」と語った。