金融

日本初の知的障害者向けがん保険 ぜんち共済と東京海上が販売 事前申し出不要

 障害者向けの保険会社「ぜんち共済」(東京)と東京海上日動火災保険は、知的障害者やその家族らを対象とした日本初のがん保険を販売している。

 リスクに備えたくても、障害による服薬や通院などによって、既存の保険へ入ることには障壁がある。がん患者数が増える中、知的障害の告知が不要で加入しやすい保険を新たに開発した。

 がんの罹患リスクは同じなのに、保険に加入する前の「入り口」の段階で事実上締め出されてしまっている現状を改善したい考えだ。

 この保険は「手をつなぐがん保険」。1月1日から販売を始めた。知的障害者や発達障害者、その家族らを主な対象としている。現在は保険料を安く抑えるために団体保険としており、加入するには知的障害者や親、支援者らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」の会員となる必要がある。

 一般的ながん保険は事前に知的障害などの告知が必要で、申し出ると加入を断られてしまう。服薬などのほか、体調の悪化をうまく伝えられず、がんが重症化してから病院にかかり、治療費がかさむリスクも考慮されている可能性がある。これに対し、新たな保険では知的障害や発達障害のほか、てんかんなど11種類の疾患については事前の申し出を不要とし、加入を促す。

 健康状態などの申請手続きを成年後見人や入所する施設の職員らが代理で行うこともできる。プランは複数から選べる。25歳で月額750円の保険料を支払う場合、がんと診断された際に一時金200万円、入院費を1日2万円ずつ受け取れるなどの保障がある。家族向けプランも用意した。

 同連合会が会員に実施したアンケートで、7割以上の人から「障害があってもがん保険に加入したい」という要望が寄せられ、商品開発につながった。

 ぜんち共済の担当者は「障害者を差別しない保険を福祉業界と共に推進できれば、共生社会づくりにつながる」と話している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus