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日本橋三越店内にビックカメラ登場 三越伊勢丹で初の定借フロアに

 三越伊勢丹と家電量販店大手のビックカメラは、日本橋三越本店(東京都中央区)内に7日開店させる「ビックカメラ日本橋三越」について、4日、報道向け内覧会を開催した。三越伊勢丹が定期借家契約で専門店を導入するのは飲食店を除き初めて。顧客からの要望が強かった家電製品を拡充でき、入居するビックカメラは自社既存店では接点のなかった富裕層を獲得できるなど、双方へのメリットがある。

 新店舗は日本橋三越本店新館6階の1フロア利用し、売り場面積は約1200平方メートル、百貨店の店内の他売り場を参考に白を基調にした。ソファを配置し、座って製品の説明を聞いたり試したりできる「クオリティータイムゾーン」を設けた。店員は既存店で着用する赤いベストではなくスーツ姿で、店内放送のBGMはピアノによるジャズ調の同社テーマソングを流す。

 品揃えは生活家電や黒物家電、携帯電話やパソコンなど幅広いが、百貨店顧客である富裕層を意識し、冷蔵庫や洗濯機では外国製のラインアップを増やすなど高額品を充実させた。開店当初の最高額はLG製の8K対応88型有機ELテレビで約360万円。高級美容家電など百貨店でしか取り扱えなかった商品も取り扱う。日本橋地区で働くビジネスマン向けに電池などの消耗品、パソコンなどもそろえた。

 三越は商品ラインアップの助言のほか、開店後は外商や店内接客担当などがビック新店への送客を担当。百貨店外商の顧客情報を基に、ビックの店員が生活スタイルに適切な商品提案を行うという。店で対応した店員が、実際の初期設定や使い方を教えに自宅訪問する新店独自のサービスも導入する。

 記者会見で三越伊勢丹の杉江俊彦社長は「家電売り場をもう一度、店内に作るのは長年の夢だった」と語る。運営効率化の中で家電製品を減らしたが、デジタル化の進展で顧客の生活の中に家電製品が流入、顧客への提案力を生かすため「(新店運営に)われわれも一緒に加わるプロジェクトだ」と力を込めた。

 出席したビックカメラの宮嶋宏幸社長も「今までは価格訴求を主に展開したが(新店では)ゆっくり時間を使いながら商品を販売するスタイルでやりたい」と話した。

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