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個人の知見に報酬、活用広がる 約400社の大手企業も利用、示す存在感

 個人が持つ専門的な知見や経験を時間単位で企業に提供し、報酬を受け取る副業的な活動が広がっている。法的には副業には当たらないため、会社員にとっては気軽に取り組める。個人の知見を利用する企業も急増中で、ビジネス分野で企業と個人のマッチングを手掛けるベンチャー企業「ビザスク」(東京都目黒区)は、国内最大級の10万人の登録アドバイザー数を誇り、存在感を示している。

 企業と個人のマッチング効果が得られたのは、ライオンが2018年に開発した口臭ケアアプリ「リペロ」(RePERO)だ。スマートフォンで舌を撮影すると、人工知能(AI)が舌の汚れの状態を解析し、口臭の度合いが5段階で示される。

 アプリ開発の過程で、画像処理の技術が非常に難しいことが判明。社内には知見を持つ人物がいないため、外部の専門家に頼ることになった。ビザスクにコンサルティングを依頼したところ、スマホカメラの特性や画像処理に精通する経験者を紹介された。舌の診断経験が豊富な口腔外科医の助言も得られ、3年がかりで開発に成功した。

 ライオンの担当者は、社外の個人知見の利用について、「初期の『トライ&エラー』にかかる時間を圧倒的に短くできることを社内への説得材料にした」と明かす。

 ビザスクから人材を紹介してもらう企業は増えている。コニカミノルタは、AIを駆使した多言語翻訳タブレット端末「KOTOBAL」(コトバル)開発の際、各国語での窓口対応に慣れている薬局勤務者のアドバイスなどを取り入れた。JTは女性管理職育成のため、同社の女性社員と外部の化粧品大手の元社員らとの接点を持てるようにした。

 ビザスクは2012年3月に端羽英子CEO(最高経営責任者)らが創業、13年10月から本格的にサービスを開始した。現在は海外1万人、国内9万人のアドバイザーを擁する。1時間数千円から数万円の価格帯で、個人の知見や経験を企業に提供する「スポットコンサル」という言葉を生み出し、マッチングシステムを独自構築した。「シェアリングエコノミー」が世界的に広がる潮流に乗り、約400社の大手企業が恒常的に利用している。

 PRマネージャーの小川晶子さんは「登録アドバイザーのうち現役会社員は約7割を占める。シニア会員も増えており、定年した元技術者の知見を欲しがる企業も多い」としている。

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